NTT(日本電信電話)

銘柄コード 9432業種 情報・通信業市場 東証プライムサイズ 大型株
配当利回り
3.66%
2026年6月9日(FY2025有価証券報告書確定値・FY2026決算短信確定値・FY2027会社予想含む)

一株当たり配当金

増配率 9.2% 12年減配なし
  • NTTドコモ・NTT東日本・NTT西日本・NTTデータ・NTTコミュニケーションズなど100社超のグループ会社を傘下に持つ国内最大の通信グループ。FY2025収益14兆円超は国内上場企業トップクラスの規模
  • 事業は「地域通信(固定電話・光回線)」「移動通信(NTTドコモ)」「データ通信・ITサービス(NTTデータ)」「グローバル事業」の4本柱。近年は法人向けDXクラウドとグローバル展開が成長を牽引
  • 2023年7月に1:25の大型株式分割を実施。分割前の株価4,000円超から約160円台へ。「NISAで1株から気軽に買える」銘柄として個人投資家層を大幅に拡大した
  • 次世代ネットワーク技術「IOWN(アイオン)」を中核イノベーションと位置づけ、光電融合デバイスによる超高速・超省電力の通信基盤実現を目指す。IOWN向け設備投資がFY2025以降の減価償却増加の主因
  • 日本政府が発行済株式の約33%を保有する筆頭株主(NTT法による制約)。実質的な国有インフラ企業という性格を持ち、一般の民間企業とは異なる独自のリスク構造がある
ディフェンシブ銘柄
魅力ポイント
  • 12年連続増配(FY2015〜FY2026)。FY2016(2.2円・分割調整後)からFY2026(5.3円)へ配当金は約2.4倍に拡大。配当性向31〜45%台で推移しており無理な増配ではない。FY2027予想は5.4円(+1.9%)でさらなる継続見込み
  • 10年連続プラスの営業CF。固定通信・移動通信という日本の社会インフラが安定したキャッシュフロー基盤。FY2025の営業CFは2.36兆円。景気後退局面でも本業のキャッシュは安定して創出
  • 配当利回り3.7%(FY2026確定5.3円ベース)。高配当株の基準(3%以上)をクリア。1株145円前後でNISAで少額投資しやすく、分割調整後の配当金の絶対額は小さくても利回りベースでは十分な水準

株価

現在株価
145円
時価総額
13,104億円
株価はFY2025有報時点で約145円と推定(時価総額13.1兆円÷発行済株式数90.6億株)。2023年7月の1:25大型分割前は4,000円超だった株価が分割後に急激に個人投資家の手が届く水準に変わった。FY2016〜FY2019のEPS・DPSは÷50、FY2020〜FY2023は÷25で分割調整後の値を表記(※株価は推定値、最新は証券サイト等でご確認を)。

EPS(1株当たり純利益)・配当性向

FY2016の7.01円(分割調整後)からFY2024の15.09円まで成長したが、FY2025に11.96円と急落(-21%)。IOWN向け設備投資増による減価償却費の拡大と一部特殊要因が重なった結果で、業績そのものが崩れたわけではないが、EPS水準は2〜3年前に戻った形。FY2026(12.61円)は小幅回復。FY2027予想(12.1円)はほぼ横ばいで大きな改善は見込みにくい。

売上高・営業利益率

ROE(自己資本利益率)

収益はFY2016の115,410億円からFY2026の144,091億円へ約25%拡大。NTTデータのグローバル事業とNTTドコモの法人DXが牽引役。FY2027予想は150,600億円(+4.5%増収)。売上は着実に伸びているが利益率が落ちており増収減益傾向が続いている点に注意。FY2016・FY2017の営業利益率は推定値(US GAAP開示形式でEDINET有報に営業利益が非掲載)。FY2026以降はIFRS基準に移行。

配当利回り推移

予想PER
12.1倍
過去10年平均: 11.6倍 / 類似企業PER: 14倍
PBR
1.17倍
自己資本比率
34%
営業CF黒字
10年(FY2016〜FY2025すべてプラス)
連続増配
12年
PER12.1倍は過去10年平均(11.6倍)並みで概ね適正水準。PBR1.17倍はスクリーニング基準(1.5倍以下)をクリア。自己資本比率34.0%はスクリーニング基準(50%以上)を外れるが政府33%出資インフラ企業の特性による。配当性向は43〜45%台(FY2025〜FY2027)でまだ50%以内を維持しているが、EPS低迷が続く場合は今後50%超えのリスクがある。配当利回り3.7%は10年平均(3.17%)を上回る水準で相対的には買いやすい局面。
気になるポイント
  • FY2025のEPSが急落(15.09→11.96、-21%)。FY2025の営業利益率は12.0%とFY2024(14.4%)から大幅に低下。IOWN向け設備投資増による減価償却増加が主因。FY2026(12.61円)は小幅回復するが、FY2027予想(12.1円)は再びやや低下。配当性向は43〜45%台に上昇しており、EPS低迷が続けばさらに悪化するリスクがある
  • 自己資本比率34.0%はスクリーニング基準(50%以上)を下回る。グループ合算での有利子負債の大きさと総資産30兆円の巨大規模が自己資本比率を押し下げる構造。政府33%出資・インフラ企業の性格から財務的危険性は直接示さないが、基準を大きく外れる点は正直なところ
  • ROE10.0%(FY2025)はギリギリ水準。FY2022(14.9%)・FY2023(14.4%)の高水準から急落。総資産30兆円の巨大規模が資本効率の向上を構造的に難しくしており、FY2027予想では9.0%への低下が見込まれる