ブリヂストン
銘柄コード 5108業種 ゴム製品市場 東証プライムサイズ 大型株
配当利回り
3.56%
2026年6月15日(FY2025有価証券報告書確定値・FY2026 Q1決算(2026年5月14日開示)・FY2026通期は会社予想。株価は2026年6月15日終値。配当金は2025年の1:2株式分割を考慮した分割調整後ベース。FY2020のEPSは推計値)
一株当たり配当金
増配率 5.7% 5年減配なし
何の会社?
- 1931年設立。タイヤ世界首位のグローバル大手。乗用車・商用車・農業機械・建設機械・航空機向けに幅広いタイヤを製造販売。世界シェアは約15%と推定される
- 日本・米国・欧州・中国・新興国に製造・販売拠点を持つ真のグローバル企業。従業員11万5,000人超(FY2025)
- プレミアムブランドとして価格転嫁力と高い顧客ロイヤルティが競争優位の源泉。横浜ゴム・住友ゴムを大きく引き離す収益水準を維持
- FY2025(2025年12月期)は売上高4.4兆円・営業利益3,812億円(-14.0%)と本業はやや苦戦したが、純利益は3,273億円(+14.8%)。低実効税率(8.6%)が純利益を押し上げた
- 2025年に1:2の株式分割を実施。FY2026 Q1(2026年1〜3月)は営業利益+41.7%と強い回復を見せており、コスト正常化と価格転嫁の浸透が進んでいる模様
景気敏感株
魅力ポイント
- タイヤ世界最大手のブランド・ネットワーク優位。数十年かけて構築したグローバルブランドと販売網は短期間で模倣できない圧倒的な参入障壁。EV化の中でも「高性能タイヤ」需要は堅調
- 配当は分割調整後で着実な増配継続。FY2020のコロナ減配(80→55円)を除き長期増配トレンド。FY2021以降5年連続増配中。FY2026予想125円はFY2025比+8.7%増配
- 圧倒的なキャッシュ創出力。FY2025営業CF6,604億円は過去最高水準。設備投資(3,659億円)を差し引いても潤沢なフリーCFを生み出し、配当・自社株買いの原資が十分
- EV化はむしろ追い風の側面も。EVは車体重量が重く加速トルクが大きいため、タイヤの摩耗が内燃機関車より早いとされる。高性能・耐摩耗タイヤへのシフトはブリヂストンのようなプレミアムメーカーに有利に働く可能性がある
株価
現在株価
3,513円
時価総額
46,865億円
2025年に1:2の株式分割を実施。この影響でスクリーニングデータ上では配当利回りが「6.5%前後」と高く見える場合があるが、分割後ベースの実際の利回りは3.56%(FY2026予想125円ベース)。分割前の名目230円と分割後の新株数で計算すると2倍の利回りが計算されてしまうためで、株式分割前後の数値を比較する際は要注意。現在株価3,513円は分割後ベースで、FY2026 Q1の好決算(営業利益+41.7%)を受けて上昇基調にある。
EPS(1株当たり純利益)・配当性向
EPSは分割調整後でFY2016の170円からゆるやかに成長しているが変動が大きい。FY2020のコロナ禍に赤字転落(推計-15円)し、FY2021に大幅回復(280円)するもその後はFY2022-2024で200〜240円台で横ばい気味。FY2025は実効税率8.6%(前年30.7%)という異例の低税率に助けられ246円と好数字だが、本業の営業利益は-14%と苦戦した事実とのギャップは要注意。FY2026は税率正常化を前提に270円超(会社予想)で増益見込み。
売上高・営業利益率
ROE(自己資本利益率)
売上高はFY2020のコロナ急落(2.7兆円、-23%)を挟んで、長期的には増収トレンドを維持。FY2022以降は4兆円台が定着。ただし円安効果が大きく、円高局面では売上高の押し下げ要因になりやすい。本来の実力はドル・ユーロベースで見る必要がある。FY2025は微減(-0.01%)。FY2026は4.5兆円(+1.6%)を予想。
配当利回り推移
予想PER
13.2倍
過去10年平均: 12倍 / 類似企業PER: 13倍
PBR
1.21倍
自己資本比率
63.7%
営業CF黒字
10年超
連続増配
5年
現在のPER13.2倍は過去10年平均(約12倍)をやや上回るが、同業他社(横浜ゴム・住友ゴムなど)との比較では概ね標準的な水準。PBR1.21倍はブリヂストン規模の企業としては決して割高ではない。配当利回り3.56%(FY2026予想)は過去10年平均(3.6%)とほぼ同水準で、「世界首位のブランド×安定CF×適正利回り」という組み合わせは高配当株として一定の評価ができる。ただし営業利益率の低下傾向(13%→9%)が改善しないと、増配余力にも限界が来る可能性がある。
気になるポイント
- 営業利益率が低下傾向。FY2016の13.5%からFY2025の8.6%へと5年で大幅に低下。原材料・物流コストの上昇と競争激化が主因。FY2026 Q1で回復の兆しが見えるが、過去水準(11〜13%)への完全復帰にはまだ道半ば
- ROEが低水準。FY2024・FY2025のROEは8〜9%と東証プライムの要求水準(8%超)ギリギリ。FY2021の16.5%は一時的な特需年で、「稼ぐ力」の構造的な改善が課題。自社株買いによるROE引き上げ効果が薄れると見えてくる問題
- 長期的なモビリティ構造変化。ライドシェア普及・自動運転・サブスクリプション型の移動サービスが広まると自動車保有台数・走行距離・タイヤ交換頻度がどう変化するか読みにくい。10〜20年スパンの不確実性として意識しておく必要がある