中国塗料
銘柄コード 4617業種 化学市場 東証プライムサイズ 中型株
配当利回り
2.97%
2026年6月13日(FY2025有価証券報告書確定値・FY2026本決算短信(2026年5月11日開示)確定値・FY2027は会社予想。株価は2026年6月12日終値。FY2021・FY2022のEPS・ROEはROE公式値から推計)
一株当たり配当金
増配率 21.3% 17年減配なし
何の会社?
- 1918年創業、広島・廿日市に本社を置く船舶用塗料の世界大手。社名の「中国」は中国地方に由来(中国(国)とは無関係)
- 主力は船底防汚塗料(フジツボや藻の付着を防ぎ、燃費改善に貢献)。日本・韓国・中国・欧州など60か国超に販売網を持つグローバルニッチリーダー
- 船舶塗料は塗り替え需要が定期的に発生する消耗品型ビジネス。新造船向けと既存船の維持・修繕向けの2つの需要で売上が構成される
- FY2026(2026年3月期、5月11日開示)は売上1,394億円(+6.3%)、営業利益174億円(+13.4%)で過去最高水準の業績を更新
- 財務健全性スコア83点(edinetdb)。自己資本比率61.8%、ROIC 19.7%(FY2025)と収益効率も高水準
景気敏感株
魅力ポイント
- 造船ブームの直接受益者。中国・韓国・日本での新造船ラッシュが続く中、船舶塗料の受注も急増。FY2023〜FY2026の3年間で売上は40%超(995→1,394億円)と急拡大。海運市況が堅調な間は追い風継続
- グローバルニッチで参入障壁が高い。船底防汚塗料は高度な化学技術・実績・各国の規制対応が必要。世界大手数社が寡占する市場で、長年の信頼関係が競争優位になっている
- 近3年で配当が急増配。FY2023の35円から FY2024に80円(+129%!)、FY2025に97円、FY2026に111円と急拡大。配当性向は35〜50%と余力がある水準での還元
- 自己資本比率61.8%・D/Eレシオ0.23倍の健全財務。過去に赤字や低収益を経験しながらも財務基盤は傷んでいない。造船サイクルの谷でも耐えられる体力がある
株価
現在株価
3,370円
時価総額
1,854億円
スクリーニング実施時(2026年6月初旬、FY2025有報ベース)は株価約2,100円・利回り4.61%の「本命」銘柄として注目していた。が、6月12日時点で3,370円(+60%超!)と大幅に上昇していた。しかも6月12日は1日で+6.65%(+210円)と急騰。FY2026の好決算(5月11日開示)後の評価見直しが進んでいるとみられる。スクリーニングデータ(FY2025有報ベース)と現在の市場評価が大きく乖離する典型例。
EPS(1株当たり純利益)・配当性向
EPSの変動幅が非常に大きい。FY2016の98円から増減を繰り返し、FY2019(-11円)・FY2020(-1円)と2年連続赤字を経験。その後FY2021〜FY2022も低水準が続いたが、造船市況の回復とともにFY2023から急回復。FY2025の277円はピーク水準。FY2026(222円)とFY2027の利益見通しが、次のサイクルで同様の落ち込みを繰り返すかどうかが高配当株として保有するうえで最大の論点になる。FY2021・FY2022のEPSは公式ROE値より推計した参考値。
売上高・営業利益率
ROE(自己資本利益率)
売上高の推移が「造船サイクルの教科書」。FY2016の1,151億円からFY2017〜FY2023まで800〜1,000億円台で低迷し、FY2024以降の造船ブームで一気に1,394億円まで急拡大。売上高が約40%増えた3年間に、営業利益率は3.9%→12.5%へと急回復した点が際立つ。次の市況悪化局面でこの利益率がどこまで維持できるかが注目ポイント。
配当利回り推移
予想PER
15.2倍
過去10年平均: 12倍 / 類似企業PER: 18倍
PBR
1.75倍
自己資本比率
61.8%
営業CF黒字
8年/10年(FY2018・FY2022は赤字または極小)
連続増配
3年
FY2026実績EPS222円ベースのPERは約15.2倍。過去の好況期(FY2016: 7.6倍、FY2025: 7.6倍)と比べると割高感があり、市場は将来の業績悪化をある程度織り込みながら評価している状況。配当利回り2.97%(FY2027予想100円ベース)はスクリーニング基準(3%超)を下回り、過去10年平均(3.05%)もやや下回る水準。FY2027減配予告と造船サイクルの先行き不透明感を合わせると、現在の株価水準での新規購入は割安とは言い難い。ただし、造船サイクルが想定より長続きするシナリオなら話は別。
気になるポイント
- 業績のボラティリティが非常に高い。造船サイクルに直結するため、FY2019(営業損失)・FY2022(営業利益率0.81%)と過去10年で2回の大底を経験。好況と不況の振れ幅が大きく、配当の安定性とは相性が悪い構造
- FY2027は減配予告(111円→100円)。FY2026実績の111円に対し、FY2027会社予想は100円と-11円(約10%減)の配当減。17年間維持してきた「無減配」記録がFY2027で途切れる可能性がある。造船サイクルのピークアウト懸念も背景にあるとみられる
- 原材料価格リスク。主原料の酸化チタン・有機溶剤の価格は資源市況に連動して大きく変動。FY2022はこの高騰で利益が激減した経緯がある。コスト転嫁が遅れると利益率が急低下するリスクは常にある